情報処理推進機構(IPA)より12月25日、大きな発表がありました。「文字情報基盤整備事業」で取組していた漢字6万字が国際規格化されたとのこと。画像は「情報処理推進機構(IPA)のプレス発表 「文字情報基盤整備事業」で推進していた漢字6万文字の国際規格化が完了」より引用したものとなります。
これは日本のIT化に大きな影響が出るニュースです。昭和から平成に変わったように年号が変わるよりも影響が出るような気がします。
特に難しい漢字を利用している名字を持つ人の漢字が、コレからのパソコンでは変換可能になる可能性が高くなります。
名字に難しい漢字が使われている場合、役所での戸籍謄本では正しい漢字が利用されているのに、他サービス利用時に登録する場合に正しい漢字が使われないケースありませんでしたか?
実は地方自治体などの特別な組織では「外字」として、わざわざオリジナルの漢字を自分達で登録して利用しています。その為、作成した外字を適用したコンピューターでのみ正しい漢字の出力が出来ていたのです。
コンピューターで利用する文字と言うのは文字コードというモノに割り当てて利用するのですが、今回国際規格化された6万字の漢字がどこの文字コードを利用したのかが気になるトコロです。もし外字をわざわざ作って利用しているような組織においては、国際規格化された漢字の文字コードと重複するととんでもないことが発生します。
コレ結構一大事のような気がするのですが・・・。特に小さい町の役場はかなり影響が出るような気がします。結局、外字を使っていたのを国際規格化された漢字に置き換えしなくてはなりません。
国際規格化でとても便利になるが、改修にはお金も掛かる!
特に自治体・組織毎に「外字」のメンテナンスがされている為、今の日本では漢字データのやり取りが正確に行うことが難しい状況でした。これが国際規格化されることで難しい漢字データのやり取りもスムーズになります。
これは今後の日本のIT発展には欠かせない状況にありました。マイナンバーで番号のやり取りは出来ても、名字が正しく送れない。
それが正しい漢字でやり取りできるようになるのです!
コレ凄くないですか?
今まで自分の名字に難しい漢字が使われており、正しい漢字で登録されないで不愉快な思いをされていた方いませんか?
何かの会員登録する時なんかにはよくある話です。中にはその漢字ではないと訴える人もいたんじゃないかな?と推測します。
こういうことは今後減少していく可能性が高くなることは確かなことです。
「外字」登録していた自治体・組織は国際規格化に対応!
今まで自治体・組織で「外字」登録して利用している場合、全て国際規格化された文字コードに置き換える作業が必要になります。
そもそも「外字」が組織別に登録しなくてはならなかった状況に問題がありました。そこにこのニュース!「外字」登録している部署の方は今後どのように対応してくのか?
業者に依頼して「外字」と「国際規格化された漢字」の対応表を作成し、自動変換するのが一番良いのかな?
ただ、そんな単純な話で済まない組織もあるかもしれませんね。例えば医療機関。過去の電子カルテに「外字」が使われているケースを置き換えた場合、カルテ改ざんに当たる可能性もあります。
要は安易にデータ変更してはいけないと決められているような電子データに対して国際規格化対応する場合には注意が必要になります。何か記録を残しておかないとならないのかな?
国際規格化で改修作業費用が掛かる!
上記の説明で通り、自治体・組織別に管理されている「外字」を国際規格化するとなるとそれなりの作業が発生します。
自動で何とかやりたいですよね?
恐らく文字コード変換対応表は自治体・組織別になるので、そこは手作業になるような気がします。もしかすると今は文字の形から自動的に対応表を作成するツールを提供してくれる業者があるかもしれません。そして最終的には人がそれをチェックして、一気に自動変換!
どちらにせよ。手作業でやらないとなればツールが必要になります。業者が絡むことになるので改修作業費が取られるような気がしますね。
ただ今回の国際規格化で日本で利用されている漢字が殆どみたいですので、一度煩わしい作業をしてしまえば良いだけです。
あとは「外字」登録していた漢字を利用しないように最終的にはしないといけませんね。
情報処理推進機構(IPA)とは?
ちなみに「情報処理推進機構(IPA)」とは日本の情報処理業界を支えている大切な組織です。
情報処理技術者試験というモノをご存知でしょうか?
簡単に言うとIT技術者を育成の為の試験です。大抵のIT技術者は自分の知識技術を磨き、情報処理技術者試験で資格認定受け認定されていきます。試験も色々あるのですが、その資格が転職活動などに大きく影響する試験であることは間違いありません。
このようにIT技術者の育成をしています。
また日本のサイバーセキュリティ状況を監視していたり、今回の漢字の国際規格化のようにITの標準化を推進してたり、ITに関することであれば何でもやっているような組織になります。
今の日本のITを陰でサポートしている組織であると思っていただいて構わないと思います。そして日本のITに一番影響力を持つ組織であることも確かなことです。
最後にまとめると
6万字の漢字が国際規格化されたことは今後のIT発展に大きな前進であると同時に、この発表を受け「外字」利用していた組織はキチンと対応しなくてはならない。
最終的に国際規格化された漢字の利用が正しいこととなります。
無駄に「外字」登録の必要もなくなるので、「外字」登録利用していた自治体・組織にとっては将来を見据えれば楽で便利になることは間違いありません。