「Microsoft Office Excel」と聞いて知らない社会人は皆無に近い状況ではないかと思っています。この「Excel」というソフトウェアが表計算ソフトであることもご存知かと思います。
「Word」は文書を作成するのが目的ですが、「Excel」は主に表を作成することを目的にしております。稀に何でも「Excel」で作成される方がおりますが、これは使い分けた方が良いです。理由は色々とあるのですが、二次利用のし易さが変わってきます。
簡単に言うと「コピー&ペースト」が代表的な例でしょうか?
この「Excel」、ちょっとしたデータベースとしても利用可能です。しかし注意点もあります。1万行以上あるようなデータ処理も可能ですが、データ量が多い場合にはデータベースソフトを利用した方が良い場合もあります。その場合には「Microsoft Office Access」やデータ量によってはサーバー利用のデータベースソフトを利用しましょう。
目的に応じてソフトを使い分けることが大切!
「Excel」は難しくはありません。慣れれば誰でもそれなりのモノは作れるようになりますので経験を積むことが大切です。今まで使ったことがない場合には敷居が高いように思えるのですが、ハッキリ言って簡単です。
今のネット社会ではちょっと調べれば、関数の使い方も説明しているサイトがありますので困った時はネットで調べる。コレでほぼ解決です。
「Excel」利用での基本的な考え方!
「Excel」はちょっとした表計算や数値をグラフ化することによるビジュアル的かつ客観的にデータ分析することが出来る便利なソフトウェアです。これは簡易データベースと考えて貰っても良いかもしれません。
またデータベースソフトウェアに蓄積されたデータを取得し、集計結果だけをまとめることも可能です。「Execl」の中に実データが無くても、数値を表現する為だけに利用する方法もあることを知っておいて下さい。
「Excel」は「Word」と同様、タダのファイルです。データ量が多ければ多いほど動作が重たくなります。最近のマシンスペックでは感じることは少なくなりましたが、「Excel」に何でもかんでもデータを詰め込むのは得策ではありません。
データベースと「Excel」の境界線!
これは人により考え方が違います。これから述べることは私見となりますのでご了承ください。
私の考えでは1つの表で完結し、データ行数が1万行以内が現実的な利用方法ではないかと思っています。本当はもっと多くのデータ行を保存出来ますが、1万行を超える時点で表計算の領域を超えていると考えた方が良いです。
また複数の表を結合させたい場合は完全にデータベースとなります。勿論データ量によっては「Excel」の方が簡易的に作成することが出来ますので、そこは自己判断してください。
たかが表計算ソフトですが、作成したExcelファイルをメンテナンスしながら長く利用する場合には注意したいポイントとなります。
業務用Excelファイルを複雑にするべきではない!
ちょっとExcelの知識がある人に稀に見られる光景。Excelファイルが解読不能状態になっているケース。個人的に利用しているモノであれば誰にも迷惑掛けないので良いのですが、業務利用する場合は別です。
そのExcelファイル、後任者に渡すだけで業務を引き継げますか?
私も過去にあり得ないExcelファイルを見てしまったことがあります。それは結局、私の業務ではないのに私が解読し作り変えてしまいました。Excelがある程度出来る人でも解読出来ない状況になっていたんですよ。
作成者は自分が使いやすいようにメンテナンスしながら改良していったんでしょうけど、ソレが仇となり複雑さに歯止めが利かない状況になってしまったのでしょう。
それでは私がExcelで基本的にやらない方が良いと思う事を説明します。
外部Excelファイル参照の盲点!
「Excel」は簡易データベースというコトもあるのですが、作成・編集しているExcelファイルから他のExcelファイルのデータを参照することが出来ます。これで罠にハマるケースが多々あります。
外部Excelファイル参照は便利な機能なのですが、デフォルトは絶対パス「c:\○○〇〇\○○.xls」のような形で参照を行います。このような参照をしているExcelファイルを他のコンピューターにコピーして利用しようとすると参照エラーが発生します。
参照し直せば良いだけなのですが、参照先Excelファイルも入手しないと使い物になりません。知らない人からすると、たったコレだけのことでExcelを難しく感じさせてしまう要因となるのです。
私は外部Excelファイル参照を利用することはしません。一つのExcelファイルで完結出来ることが理想的な使い方であると思っています。
一つのExcelファイルに複数Sheetの盲点!
これも良く見かけます。一つExcelファイルにどれだけSheetを作れば気が済むんだよ!って叫びたくなるExcelファイル。
10Sheet以内であればカワイイ方です。目的によっては複数シート幾ら作っても良いのですが、Sheet間で値を参照する場合は厄介です。
スクロールをいくらしても発見できないSheet・・・。やっと見つけてもまた戻るのが大変みたいな・・・。
こういうExcelファイルは自己満足以外の何物でもありません。業務利用の場合には誰が参照しても分かり易いExcelファイル作りを心掛けた方が良いです。
無限列と隠しセルの落とし穴!
一つのSheetで全てを完結しようとするがあまり、右にスクロールしても永遠と続く列・・・。
一体どこまで列を作れば気が済むのですか?
と叫びたくなるExcelファイル。データ分析する際に切り離すことが出来ない列なら良いのですが、意味あるの?と思ってしまう列はちょっと考えモノです。
また一時的な計算に使うためのセルを見えなくしている人もいます。確かに印刷時に必要がないという理由が考えられるのですが、他人が参照した時にどうやって計算してるか?解読困難にしてしまう可能性があります。
酷いケースになると永遠に右にスクロールしてやっと出てくるケースすらあります。可能な限りちょっとした横スクロールで済むように作ることも重要なポイントとなります。
外部データベースの利用について
データ量や表が多数ある場合にはデータをExcelではなくデータベースに蓄積しておくことをおススメします。
Excelは実データが蓄積されたデータベースに接続し、必要なデータだけを参照することが可能です。またデータをExcel上で加工したければデータベースからデータを抜き出し、必要に応じて編集することが可能です。
データベースソフトはお好みのモノをご利用下さい。但し、データベースソフトはExcelよりも敷居が高く奥が深いです。データ量や利用目的に応じて使うデータベースソフトも異なるので注意が必要です。
ここで言いたいのはケースによってはExcelにデータを蓄積しない方が良いことも有るというコトです。
まとめると
Excelのような表計算ソフトは計算は勿論のこと、数値を目に見える形で表現する便利なツールであることは間違いありません。しかしExcelファイルで出来ることをやり過ぎてしまうと、後々大変な思いをすることになる可能性があります。
誰にでも分かり易いExcelファイル作成を心掛けることを、これからExcelを学ぶ人には知っておいて貰いたいと思います。また今までExcelファイルで苦労されてきた方も、この記事を読んだことを切っ掛けにシンプルにしてみては如何でしょうか?